コロナウィルスの感染拡大を受け、一部の事業を取りやめる必要がありましたが、令和2年度、一般社団法人 社寺建造物美術保存技術協会では以下のような活動を行いました。
【国庫補助事業】
1.伝承者の育成
1.新規採用者のための文化財修理研修会
◇研修人員 7名 (対象:新入社員~就業3年目程度)
◇研修期間 令和2年8月4日、5日
◇研修内容 講義
本研修会では、新規採用者等に対して文化財修理現場で従事する技術者として欠かせない基礎知
識を学ぶ研修を行う。一日目は、(公財)文化財建造物保存技術協会より賀古唯義先生を講師にお迎
えし、「第一部 文化財建造物保存修理の基本的な考え方」「第二部 彩色の復原と整備(実習課題)」
の二部構成で進めた。二日目は、(財)中小建設業特別教育協会 高崎 親一先生より、労働災害を起こさず心身共に健康で安全に業務にあたるための知識や法令を解説いただいた。
2.技術・技能の練磨
1.固有技術向上研修会
「単色塗」「彩色」「金具」各専門分野の技術研修会の実施
◇研修人員 12名 (対象:初級技術者)
◇研修期間 令和2年7月~令和2年10月
◇研修内容
初級技術者を対象に、各部門の基本工程の習得と基礎技術向上をめざす。当協会では、平成30年度から経験の浅い初級技能者を対象とした漆塗り、彩色、単色塗、金具部門の基礎技術研修を車折神社(京都市右京区)芸能神社本殿を対象に実施している。
最終年度の本年度では、難易度の高い蔀戸の単色塗、縁下幕板文様の復元、蟇股彫刻の彩色補修、脇障子の絵画制作、金具脱落部位の新規制作、全金具の表装仕上げを施し、現地で取付作業を経て研修を締め括った。
3. 記録の作成及び刊行
・研修報告書と会報「すいかずら第30号」の刊行、ホームページの更新などを進めた。